小池一夫著、「変化と進化のスーパーキャラクター」星海社新書の本が役立つ
人は物語のストーリーに惹かれるのではない。
物語に登場する「キャラクター」に惹かれるのだ。
キャラクターに感情移入して喜怒哀楽を共にする。
物語を追体験する。
見終わっても、そのキャラクターが心の中に棲み着く。
キャラクターのファンが増えて、作家は長生きする。
どんな話を作ろうではなく、魅力的なキャラクターを創る。
そのキャラクターの前に謎を出してやる。
謎をキャラクターは追いかける。
物語は自然に動いていく。
キャラクター・・・他とは区別される性質や、個性を持つ存在。
キャラクターの名前、年齢、職業、顔、身体上の特徴、
持ち物、性格、過去を作る。
キャラクターに謎を与えて動かす。
ドラマを動かす。
漫画を見た人の心を動かす。
主人公と共にドキドキ、ワクワク。
主人公やライバルが織りなす物語に引き込まれ、キャラクターを
本当に好きになっていく。
キャラクターを活かすとは、ファンを決して失望させないこと。
キャラクターの名前、見た目、内面をどうやって作るのか
□「そのキャラクターに直接聞けばいい」。
好きなもの、嫌いなもの、夢、希望、癖いろんなことを
聞いてみる。
□キャラクターの名前は、できるだけ覚えやすく伝わり
やすいものに。
作品のタイトルになるような名前を考える。
□キャラクターの見た目は内面が如実に出る。
表情・・・性格、思想、嗜好、その時の気分が出る。
画で感情をどれだけ表せるか。
特に目の表情が大切。
セリフに頼らず、キャラクターの表情だけで感情を表す。
年齢・・・最初は同年代かそれ以下の年齢で描く。
周囲の人を観察し参考に。
性別・・・ステレオタイプにせず、日頃から人間観察。
性の多様性に注意。
キャラクターの服装・・・その人の価値観、舞台となる
時間と場所の情報を教えてくれる。
体型は、過去の経歴、生活態度、価値観が出る。
傷痕・・・病歴、過去の事件、人物像、現在の物語に
過去の因縁を連れてくる。
過去に関する情報を読者に与える。
□人種、民族のキャラクターを創る時は、全世界が読者だと思う
ように。読者の心を大切に。
□仕草・・・【1】癖、愛すべき弱みにする。
一見近寄りがたいキャラでも、人間臭い、ドジで共感、感情
移入しやすくなる。
【2】仕草、立ち居振る舞い・・・内面の感情、ボディランゲージ、
表情と動作で意思や気持ちを表現。
例:怒りを堪える時、どういう仕草をするのか?
その「キャラクター」の個性が光る仕草をさせる。
【3】技、キャラクターがどういう技術、特技を持っているか。
派手な必殺技、地味だけど職業特有の確かな技術や知識。
読者の知的好奇心を刺激し、知識欲を満たす。
それらの技を会得するには誰かに教わったり、自身が努力を
続けた修行の日々があったはず。
人並み外れた特技を持つ、隠れた過去のドラマを持つ。
【4】喋り方ー言葉とは人そのもの。
キャラクターがどのような言葉を話し、どんな喋り方を
するのか?
一言一言、吟味しながら話す人。
人を傷つけないよう、やさしく話す人。
自分のことばかり話す人。
沈黙を恐れるように軽口を叩く人。
理路整然と、正確な文法の人。
話しているうちにドンドン飛躍して面白くなる人。
方言でも印象が違ってくる。
一人称を私、俺、僕、わし、自分のどれかにするかによって
キャラクターのイメージがガラッと変わる。
【5】アイテム、ファッション。
持ち物ーキャラクターの過去、特技、価値観を表せる。
物にはそれぞれ機能や、イメージがあり、それを持っている
キャラクターにも持たせることが出来る。
服装、髪型ー大抵キャラクターが服装や髪型を自分で選んでいる。
「こうなりたい」「見られたい」キャラクター本人の価値観や
考え方、性格、家庭環境、経済状況が表れている。
メガネ、サングラス、アクセサリー、靴・・・キャラクター
のらしさが表れる。
【6】キャラクターの内面はキャラクターの行動、セリフ、
反応で見える。
□オーラとカリスマ性
主人公とライバルは正反対の考え方や価値観、性格を持ち
それがぶつかり合うことでお互いに引き出して合う。
□弱点と欠点
屈強なヒーローでも「そこを狙われるとまずい!」と、
読者をハラハラさせる。
□願い、夢、目標ーその人の価値観をストレートに表す。
願望ー物語の行く先になる。
そのキャラのしたいことがわかると、同時に「決してやらない
こと」もわかる。
大きな願いはキャラクターの向かうべきところを決定づけ、
小さな願いは日頃の行いを決めていく。
□好き嫌い、趣味
好き嫌いは原因、過去のドラマを想起させる。
趣味はその人の価値観を表す。
見た目からの意外性、苦手なものがあると、インパクトの
あるキャラになる。
□信条、信念
そのキャラクターが行動の指針とする考え方。人生観。
主人公の信条は、作品のテーマに直結。ブレないように。
□謎、秘密
キャラには謎が必要。
物語はキャラが謎を追うこと。
読者に謎を投げ、それをキャラが解き明かすことで、見る
者は快感を得る。
□過去、生い立ち、来歴
子ども時代、親兄弟、どこで生まれ育ったか、
どういう家系か
キャラの過去が現在の状況、価値観、信念、目的を作って
いる。
結論
この本では物語の先導役のキャラクターの作り方、コンビの
キャラクターの作り方、大勢のキャラクターを起てる方法
についても書かれていますので、読んでみてください。
キャラクターの日記を書くつもりで、セリフや行動を描く。
キャラクター作りで大事なのは視覚的に見てかわいいこと。
作者が考えなくても、喋ったり動いたりするキャラクターを
作る。
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